クロアチア:渡航編

今にして思えば、ばかりだが

初ヨーロッパ上陸にどうして難易度高めの

クロアチアを選んだのだろうと思う。

もっと経験を積んでからでも良かったのでは

と思ったりする。

とにかく私的トラブルが多かった。

絶対今行きたいと言う一心で猪突猛進し

いざ行ってみれば事故多しだったが

この経験が後の旅に役立っていくものと思いたい。

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イスタンブール空港

クロアチアドブロブニクまでの直行便はないので

トルコのイスタンブールでトランジット。

成田空港のチェックインカウンターで

私の前に並んでいた10代半ばぐらいの女の子。

ロープの外にはお母さんと思われる方がいた。

その女性と目が合い、

イスタンブールに行かれるのですか?

と聞かれ、はいトランジットですけどと答えると

娘さんがイスタンブールの知人を訪ねるのだが

初めて1人で行くから心配だとのことだった。

わかります。

私も自分が心配です。

とは言わなかったが、もし何かあったら

助けてもらえないかとお願いされ、

まさか自分でパンプクリンですとも言えず

お任せくださいなんて言ってしまった。

とは言え年頃の女の子の気持ちもわかるので

何かあったら声かけてね〜と言って

思い思いに搭乗時間までを過ごした。

飛行機に乗ってしまえば

あとは野となれ山となれ着陸を待つだけ。

イスタンブールに着いてから

どう?眠れた?と聞いたら

彼女は眠れなかったらしい。

ご飯の時以外爆睡しててごめん。

お互い楽しもうねー!と言って別れた。

若い時にこんな経験できて羨ましかった。

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イスタンブール空港内カフェ

初めてのトランジットで

システムを全く理解していなかった私は

ここから長い時間が始まる。

数分前に楽しもうね〜なんて余裕かましてた

自分を激しく呪うことに。

まず、想定外だったのが預けた荷物を

受け取らないってことだった。

進みゆくテクノロジーについて行けていない。

そんなこと可能なのかとドギマギし

荷物が紛失することばかりを考えた。

トランジットの時間は5時間。

まさかスーツケースなしとは

考えつきもしないんだから自分にビックリ。

仕方ないとスマホでもーと取り出すと

日本で契約してきたWi-Fi機器は

クロアチアでしか使えないことに気づく。

ちょ、待てよ?

まぁいいや。本でも読むか。

うん、預けたスーツケースの中に入れたね…

おや?ちょ待てよ。

トドメはツキのものが突然くると言う

私的非常事態宣言。

全部、全部、全部スーツケースの中。

なーーーーーんもない‼︎

コンビニがない。

ドラッグストアもない。

空港の隅々まで歩き回ったが、ない。

どういうことなのよ!!!21世紀だよ!

このパンパンのリュックはなんなんだ!

ほぼ機内快眠グッズです。

5時間もあれば一旦空港から出るという方法も

あったのかもしれないがスマホが使えない状況で

戻って来れなかったら悲惨だと思いできなかった。

誰かに助けを求める方法も散々考えたが

英語名もわからず翻訳機能はスマホだけ。

立派なスマホ依存症だ‼︎

スタートダッシュは遅い方なので

まぁなんとなるだろうとティッシュを挟んだ。

そんな5時間である。

永遠にも感じる長さだったのは言うまでもない。

とりあえずカフェで時間を潰そう。

そうだ、トルココーヒーってなんか有名だよな。

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トルココーヒーとピスタチオアイス

トルココーヒーが小さすぎて‼︎

10分も潰せないじゃんか‼︎

機内食をモリモリ完食していた私は

こんなものしか頼めず長居できない。

オーマイゴットだよこりゃ。

再び空港内をウロつくに至るが

状況は何も変わらなかった。

ただ、時間は確実に過ぎる。

ひたすらボーーーーーっと待ち続け

下半身を緊張させたまま飛行機に乗るのだった。

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乗り物で移動する空港職員

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トルコ上空

イスタンブールからは約2時間ほどだった

と記憶しているがなんせ上記の状況プラス

時差の計算ができないためよくわからなかった。

軽食が1回出るぐらいの飛行時間。

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ドブロブニク着陸間際の景色

山が近くて驚いた。

空港ってものすっごい平地にあるイメージ。

山の中に降り立った。

飛行機を降りたら荷物へまっしぐら。

これで紛失なんて言ったら本気で洒落にならん。

無事ピックアップし速攻で用を済ます。

私はもう旅が終わったかのような

安堵の気持ちに包まれた。

被害が最小限だったのは幸いだ。

空港からはバスで移動。

これがまたホテルまで乗り換えが必要。

1本目は無事成功。

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バスからの景色

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やっぱり撮っちゃう消防車

2本目のバスでホテル近くまで行く予定だったが

大きいバスターミナルなのに

バスがいないし案内所の方には「そっちの方」

と言う曖昧な情報しかもらえず(2回別の人に聞いた)

恐らくターミナル違いだったと思うのだが

もう色々限界よろしくだったので

早々に諦めタクシーに乗った。

旅はお金より時間だ。

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タクシーがおベンツ様だった

特別料金とかではない。

はず。

お願いだから変なことにならずに

無事にホテルに届けてくれと祈り続けた車中。

祈りは届いた。

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ホテルのフロントにあった本

日本語の本が置いてあって驚いた。

忘れ物なのかオーナーの趣味なのか。

にしてもこのチョイスは興味深い。

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ホテル室内

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まさかのブラウン管TV

21世紀だよagain

ドブロブニクは海辺の街。

オーシャンビューとかなんとか

1人もんには関係ない。

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窓の外

立派なお庭じゃないの。

もうホテルに着けただけで涙もんだった。

日本を発って何時間何十時間経っていたのか。

とにかくシャワーを浴びたかった。

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海辺のホテルらしい浴室

海辺っていうのは世界共通で

水場の作りが甘いというか。

つまる前提なのかどこもこんな感じだ。

ここも排水に難ありだったが

正直お湯さえ出てくれればそれでいい。

お湯が出たことに安堵し、あぁよかった〜

さっぱりした〜!と鼻歌まで飛び出して

髪の毛を乾かそうと日本から持ち込んだ

ドライヤーをスイッチオン。

バツン‼︎と大きな音と共に全ての電源がオフに。

もしもし?これは…どうなってます?

もちろん変圧器は使っていた。

部屋の電気のスイッチをカチカチするも無反応。

オーマイガー!!!

どうしよう…

あたい何か壊したのかしら…

ブレーカーを探すももちろん個室になどない。

しばらくカチカチし狼狽えた末にフロントへ。

年配の男性がいらっしゃったので

電気が点かない、助けてとお願いする。

だが、ホテルも何か協定みたいなものがあるのか

そういう詐欺があるのか

男と女だったからなのか

イカれた日本人だと思われたのかわからないが

部屋に来てくれないのである。

いや、そんなことないだろ〜みたいな

海辺の男らしくゆるゆるしてるのだ。

いや、まじで本当に困ってます〜!!!

と必死に説得し部屋に来てもらうことに。

その間もなんか色々言ってて

部屋に入るのを相当嫌がっておられた。

なんだかんだ言いながらドアを開け

身体半分廊下に出したような格好で

彼が部屋の電気のスイッチを入れると

なにごともなく電気が点いたのだ。

マジ、マジ、マジ、ほんと、は???

この瞬間。

私、ただのイカれた日本人になりました。

そしてドライヤーはサヨナラコース。

1週間の旅の始まりである。